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2012/06/05

PlayStation®Vita に思うこと   その2

20120605
Leica MP + Summilux 50mm f1.4 ASPH.

PlayStation®Vita、すでに一般大衆消費者向けの端末とはもはや思えない。そりゃお店でゲームを買ってきてカードを差し込んでプレイすることはできる。でもそれ以外の機能はまず「通信環境」ありき。さらにPlayStation3ありき、PCありきで設計されている。

さらに悪いことにスマートフォン要素を取り入れ、タッチパネルでの操作をメインにするのはよしとするにしても今回基本オペレーションから

ボタンと十字キーの操作を封印

してしまったことは個人的には致命的な失敗だと思っている。ゲームコントローラーのオペレーションはもう神の領域に入っていてコマンド入力のRPGですら十分機能させていた。ましてや両手でもって支えるこのポータブル筐体でボタンとキーを封印してタッチ画面のみの操作にしてしまうなんてもう本質を忘れたとしか言いようがない。

機能と性能は確かに一流品ではあるけど使い手に対しての「優しさ」とか「気の利き具合」とか「直感的な快感」とかが感じられなくて

どうだ!凄い技術だろう!

という技術者視点のアピールしか聞こえてこないのだ。まさにクレイトン・クリステンセンのいうところの「イノベーションのジレンマ」に陥ってしまい。持続的イノベーションのみ続けた結果、市場のニーズを飛び越えたところで孤立している状態であるといえよう。
※図参照

In

ことゲームに関して言えば、最近のソーシャルゲームが破壊的イノベーションかどうかわからないし、個人的にはそうあって欲しくのないのだけどSONYという企業は早くこのジレンマから脱して破壊的イノベーションの流れにシフトして欲しいと思う。

蘇れ!SONY!

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コメント

新しいこと、革新的なこと、そればかりを追い求めるとユーザー不在になってしまうんですね。
「時代を先行しすぎた」と後に評価される失策の一つとならないように頑張って欲しいですね。
とりあえず、大幅な価格改正を待ってみます。w

投稿: inamoku | 2012/06/06 08:15

>inamokuさん
破壊的イノベーションの欠点は「一旦性能を下げてしまうこと」にあります。ここが大企業には辛いところですね。ベンチャーがこの分野に強いのは失う前身がないから。特化したアイデアに集中してゆけるところですね。

投稿: Shig | 2012/06/07 11:51

大企業が破壊的イノベーションの方向へシフトしていけるかどうかは、
イノベーションのためならグループ企業間での食い合いをも辞さない覚悟が
あるかどうかにかかっていると思います。
現実には、音楽事業の既得権益との両立をどうするか考えあぐねているうちに
アップルのiPodにすべてをさらわれてしまったように、一時的な大出血を伴う
カニバリスム的な決断はなかなか出来ないのではないでしょうか。

投稿: エンゾー | 2012/06/08 18:31

>エンゾーさん
おっしゃられるようにソニーに関しては音楽事業ドメインを買い取ってしまったところで当時のシナジーには好影響だったのでしょうが、破壊的イノベーションシフトを遅らせた要因だったと思います。アップルの場合は単なるいち他社コンテンツにしかありませんでしたしね。
ソフトとハードの大きな再構築に今悩んでいるとすれば次は任天堂ってとこでしょうか。

投稿: Shig | 2012/06/09 08:35

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