勝利への執着心と誇り
Leica MP + NOCTILUX-M 50mm f1.0 (2nd generation)
勝利に向かってしのぎを削るスポーツにおいて「競技中の不運なトラブル」にどう対応するかは競技によってかなり曖昧だろう。怪我をしている足を攻撃しなかった柔道家、味方だろうが相手だろうが怪我人がでればボールを蹴りだすサッカー・・・。
昨晩のツールドフランスにおいての話。
アンディーシュレックのチェーントラブルは不運だったけどコンタが絶対待たなきゃいけないほど不慮のトラブルというものでもなかった。巻き込まれての落車とか不慮のパンクではなくメカトラブルはチームやメーカーにも責任が発生するトラブルだからだ。
とはいえ心象的にはあのタイミングでアタックをかけたコンタドールに非難が集中するのも理解できる。自転車競技においては、ましてやツール王者は相手の弱みにはつけこまない堂々とした対応が暗黙のルールとしてあるからだ。本来ならスローペースにしないまでもアタックをかけずに通常ペースで走っていれば拍手喝采だったろう。アンディーのアタックが失敗しただけでも十分なアドバンテージだったろうし。
ただ、勝利への執念がその判断を狂わしてしまった、「この場合は行ってもいいだろう」と。
観客は勝手なものだ。観ていてエキサイティングな展開を欲するし、選手に紳士的な対応も要求する。勝利に対する責任やプレッシャーとは無縁なエリアに立ちながらだ。
最終的には勝利に対する執着と誇りを天秤にかけるのは当事者である選手達なのだ。
そういった意味でも堂々と戦いながら最終的にも勝利を得られた可能性の高かったコンタドールのあのアタックは「魔が差した」では済まされないほどの大きな代償となって彼にのしかかってくるだろう。残念だ・・・・
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コメント
絶対なにかコメントすると思ってました。
我が家でも、全戦録画して楽しんでますが、昨日のアレは・・・
家内と二人して、いろいろ語りあってしまいました。
投稿: エントロピーM | 2010/07/20 22:17
>エントロピーMさん
ええっ!まさかこのネタに反応するとはww
平地スプリント系ステージは時々飛ばしながら見ますが山岳ステージはがっつり観てしまうのでさすがに録画しながらでないと無理。
もっと放映して欲しいマイナースポーツといえば「アメリカズカップ」かな
投稿: Shig | 2010/07/21 23:02
こんにちは。ツールも観られるんですね。
私はコンタドールのアタックを見ていませんが、私の個人的な見解としては、チェーン落ちなんて個人の力量の範囲内のアクシデントなので、アタックが合っても全く問題ないと思っています。でもいろいろな意見がでるのは、このスポーツが今まで以上に一般的になりつつあるのだと思うと、良いことだと思います。
投稿: 川越 | 2010/07/27 23:53
>川越さん
あまり紳士的な調整ばかりしていると馴れ合いのような競技になってしまう危険性もありますね。とはいえすべてタイミングなんですけどねぇ。チェーンの外れたアンディーをしっかり確認した後のアタックが印象的にはネガティブに写る人が多いようです。
投稿: Shig | 2010/07/28 21:13
>shigさま
そうですよね。でも日本の自転車の選手達も、ほんとにいい子ちゃんばかりで、「ちょっとぉ、そんなに頭を使わずに、もう少し体で頑張ってみてよ!」と言いたくな場合も多いです。(^^;
見ているだけの、勝手な言い分だとは思うんですけど。
投稿: 川越 | 2010/07/28 22:11