ボケの目
Leica MP + NOCTILUX-M 50mm f1.0 (2nd generation)
「モノクロの目」という言葉があります。モノクロ写真はカラー写真から単に色を引き算する手法ではなくモノクロならではの視点で切り取っていくものではないか・・・・というものです。
実際私もカラーとモノクロを並行して撮っていた時期もありましたが、視点(目)の切り替えがスムースにいかず、結局当面カラー一本に絞った経緯があります。
現在はF値1.0のノクチルックスの絞りを「開放で固着」させた状態で撮影しているのですが、当然ボケを意識しながらの撮影です。
-このくらいの距離ではこのくらいボケるな
-バックをこの色にすると円を描くようにボケるんだっけ
-この光をどうボカそう
と、いった具合に「モノクロの目」ならぬ「ボケの目」を持って被写体に向き合っています。今では会議中に目に入る湯飲みですら
この距離でこの明るさだとこんな絵にボケるかな?
と意味もなく「ボケの目」になってしまいます。すでに私の眼球はノクチルックス化しているようです。
※しかし「ボケの目」って語呂悪いなぁ
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コメント
ボケの目って表現面白いですね。笑いました^^
僕はモノクロの目になりつつあるようで、先日色が多い南京町をコダクロームで撮りましたが、ダメダメでした。。。
僕はノクチの絞りも結構いじくってたので後からいくつで撮ったかなんて覚えていません。
でも最近はshigさんを習って解放だけで撮ったりしてます。
投稿: echoizm | 2006/02/10 01:36
ボケに拘るとなんだか写真の表現の幅が広がってきます。
モノクロとカラー。
ある人は言ってました。カラーは、色があるので現実をモノクロよりもより
意識させるので、自分の表現を現すためにいじるといっても、限度がある。
現実を意識しなくてはいけないカラーがあるからだ。しかし、モノクロは
色がない事がすでに現実ではないから、自分の表現がしやすいと。
ボケ、色、考え方、もうカメラの世界は時に哲学的にさえ思う事があります。
投稿: こうせい | 2006/02/10 09:15
音を強調するため、というか重点を置くためにあえて歌詞のないインスト曲を演奏するミュージシャンがいるように、モノクロは陰影を意識して撮ることが多いです。
ぼやけの目、と言うとなんだかモザイク処理みたいになっちゃいますし、「ボケの目」はいい表現だと思います。
投稿: 襟井hide | 2006/02/10 09:41
>echoizmさん
男ならアロンアルファで開放に固定するしかないですね。
ついでにNDフィルターも固着させましょう。でもそうすると夜の撮影が難しくなちゃいますかね。
>こうせいさん
モノクロは写真にせよテレビにせよ「カラー技術」まで達していなかった過去の遺物のはずなんですが何故か心に響く表現方法ですよね。映画でもあえてモノクロで表現する場合もあることですし・・・。いまはカラー写真のボケですが、いずれはモノクロ写真にもチャレンジしてその中でボケの表現を試してみたいです。
>襟井hideさん
モノクロ写真はカラー情報がないだけに表現者側がしっかり主題をもたないと単なる雰囲気だけの引き算写真になってしまいます。何度かチャレンジしましたが難しいです。
特に光の捉えが漫然としているのでその辺りを意識してゆきたいですね。
投稿: Shig | 2006/02/11 08:51