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2005/12/18

森山大道氏 with GR digital

20051218
Leica M5 + RICOH GR21 f3.5

予想をはるかに超えてネット上で異常な盛り上がりを見せた「GR digital」の発売ですが、スペックもさることながら銀塩GRの象徴とも言える森山大道氏が「GR digital」でどのような写真を発表するのかということもかなり注目されてきました。

今回リコーのオンライン写真展で一応森山大道氏の「GR digital」の写真が出揃ったわけですが、ネットでの反応は

あれだけヒステリックだった掲示板でもなぜか一様に無反応

反応があっても「モノクロを期待していたので残念」という簡潔なものがほとんど。大道氏ならでは「アレ」「ブレ」「モノクロ」写真を期待される方が多かった中、ほとんど拍子抜けするほど表現に関しては「超ドノーマルなデジタルカラー写真」で発表されたのです。

<ここからは私の勝手な想像>
「GR digital」のモノクロモード+ISO1600設定で夜の新宿を撮ればかなり粒子が荒れ、雰囲気のあるものに仕上がったでしょう。さらにレタッチ(銀塩でもできるレベル内で)を加えたら撮影者が本人ですからこれはこれで従来の大道タッチは「GR digital」で再現できたと思います。

でも、氏はそういった手法をあえてとりませんでした。「GR digital」のデフォルト設定で今まで通りに撮っただけなのではないでしょうか。これって私に撮っては凄いことでした。いままでホルガやデジタルビデオでの作品はありましたが、やはり大道節の範囲内。でも、今回は「GR」とはいえ普通のデジカメで普通に撮っちゃってます。

クリアなカラー写真(それもデジタル描写)での森山大道氏の写真はあまりにも見慣れないためどうも我々は戸惑ってしまっていますが、氏に言わせると「普段通りに撮っただけだけど?」と答えが返ってきそうです。

氏にとっては象徴的な「アレ」「ブレ」「モノクロ」ですら単なる表現手法のひとつにすぎず決して必要不可欠なものではないということでしょうか。

今回の作品群は写真集「ブエノスアイレス」でも見せたカラー表現も含めて今後の氏の活動の広がりを期待させるものではないでしょうか。

※まあ、ぶっちゃけたところ、今回「アレ」「ブレ」「モノクロ」レタッチ作品を発表されなかったことで「銀塩好き」という立場からはなんだか「銀塩との一線」を守ってもらったような気がして個人的に嬉しく、「デジタルも使う」という立場からは全く同じ条件で作品が見られたというところで非常に満足といった感じかな?

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コメント

こんばんわ。
ネット、特集本とGRDでの森山氏の写真を見ました。
実は森山大道という人を、ごくごく最近になって知りました。
ので、
「GRDを使ってみました」な、写真としか受けようが無く、
shigさんの解釈を読んで「間違いじゃ~なかったみたい」と
少々ほっとしています。
記憶が定かではないのですが
特集本で「いずれは・・・」みたいな事が書いてあったので
その時が楽しみです。

投稿: pei | 2005/12/18 22:49

はじめまして。
いつも勝手にのぞかせていただいています。
質感といい、色彩といい、「自分もこういう写真がとれるたらなぁ!」と
思う写真ばかりで、楽しみにしています。

さて、ちょっと前に、大道さんのお話を伺う機会がありました。
いろいろお話された中で、今回のモニター参加についても触れていました。
デジカメについて、否定はされていませんでしたが
「自分は TRI-X がある限りは、やっぱりフィルムで撮り続ける」とのこと。
現像・プリントに興味があったらやってみたらいいよ、ともおっしゃっていて、
銀塩で撮り、あの質感に自分で焼くところまでのプロセスも含めて
彼の中での「写真」なのだな、と感じました。
ちなみに、携帯電話のカメラで撮ることには多少興味があるそうです。
「意外と写るんだよね」とお茶目な表情でおっしゃっていました。
:-)

投稿: mai | 2005/12/18 23:28

森山大道氏のデジタル写真に
「アレ」「ブレ」を期待していたわけでは有りませんが...
モチーフは大道さんらしいと言えばらしいね。

投稿: mimi | 2005/12/18 23:58

>maiさんへ。
そうでしたそうでした!
TRI-Xのトコが大切でしたwww
曖昧な記憶で誤解を招くところでした。
フォローありがとうございます。

投稿: pei | 2005/12/19 19:29

>peiさん
まあ、私の解釈は「森山大道ファン」としての視点であることは明白なので「勝手な想像」と銘打っている通り差っぴいて捉えてくださいね。


>maiさん
はじめまして。
お越しいただきありがとうございます。
今年の夏、大道氏の講演に行ったときも「しばらくはフィルムの粒子にこだわってゆきたい」と言われていましたので、銀塩プリント機材がなくなるまではフィルムベースで活動されると思います。
しかし森山大道氏が携帯で写真を発表したら「どの機種で?」と話題になりそう(笑)。好奇心は人一倍の氏らしいです。

maiさんの写真を拝見させていただきましたが、私の琴線に触れる写真ばかりでついつい見入ってしまいました。ちょくちょく覗きにいきますね。
これからもよろしくお願いします。

>mimiさん
少なくとも、モノクロで来るとは思っていたのですけど。
もともと大量に撮ってセレクトする氏ですが、デジタルではどうだったんでしょうね。

投稿: Shig | 2005/12/19 23:25

>shig さん
ありがとうございます!
そんな風にいっていただけて、光栄です。
shig さんの作品、来年も楽しみにしています!
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。:-D

> pei さん
いえいえ!
お話を聞いた頃はまだ自家現像をしていなくて、正直大道さんの銀塩への
こだわりを充分理解してなかったんです。その後感化されて自家現像をはじめ、
手の中で仕上がって行く銀塩の面白さを知った途端に、
気に入ってた Agfa が完全生産中止になってしまい...
改めて身にしみて、TRI-X の話がよみがえったという次第デシタ。

投稿: mai | 2005/12/27 18:39

>maiさん
Flickrもリンクさせていただきました。今後ともよろしくお願いします。
日本カメラの今月号にも大道氏のGRD写真が載っています。ここでの写真が一番大道氏らしいのではないでしょうか。本来ならモノクロで撮られている写真がくっきりカラーで・・・・。何か不思議な感じです。

投稿: Shig | 2005/12/27 23:41

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