感覚を伝えるということ (前編
MINOLTA CLE + M-ROKKOR 40mm f2.0
途中ブランクがありながらもビリヤードを20年ほど続けています。写真はそれに比べると本当に駆け出しなのですが、ふと似たような感覚に捉われることがあります。
ビリヤードの基礎を教えるときはそのほとんどの部分は物理学です。
-手玉をこの角度に当てると先玉はこの方向に走り、ポケットに向かうよ
-手玉の下を突くと玉が逆回転して引いてこれるよ
-バンクは強く突くとクッションの影響で角度が縮むよ
などなど、すべて物理学で説明ができますので原理さえわかれば初心者も理解しやすいものなのです。ところが中級になって、マスワリ(ブレイクしてそのまま相手に突かせずに最後までミスなく突ききること)がどんどん狙えるようになりだしてからの上級者からのアドバイスは何故か神がかってきます。
-もっとここは重たい玉を突かなきゃ
-こういうケースは玉を殺すんだよ
-ずーんと押すのではなくここは弾く弾道で押してね
-キュー離れをもっと遅く
どんどんアドバイスが抽象的で比喩的になってきます。例えば最後の「キュー離れを長く」というのは「はじくように突くのではなく玉を押すようにできるだけキューと玉の接触時間を長くとるようにすること」なのですが超高速カメラで実験したところ、はじくように突こうが、長く突こうが数千分の1秒単位でも物理的には差がないことが実証されています。
でも実際は弾いて突いた場合と押すように突いた場合では玉の弾道は違います。何故なのでしょう?要は突く瞬間が問題ではなくそうやって突くストローク自体が問題なのです。そういったストロークをすることを一番端的に表した表現が「キュー離れを長く」ということなのです。
※この話を写真の話につなげられる? (つづく)
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