塗りすぎ注意
Leica M5 + Elmar 35mm f3.5 (1930)
ここまで塗らんでも・・・・という自転車です。でも、この自転車を笑えない思い出があるんですよね。
被写体に自転車が多いのも、もともと自転車好きというのもあります。自分で操ることができる乗り物で三輪車の次が自転車という当時の田舎の男の子の規定路線である道を私も歩んできました。
最初に手に入れたのは、フラッシャー付のものでもなく、セミドロップハンドルのものでもなく、もちろんカンパニョロの付いたズノーフレームのロードレーサーでもありませんでした。
真っ赤な大人用のママチャリだったのです。(小学校5年当時)
子供用自転車から早く卒業したかった私は最終目標の「ツノダのテーユー号」までのつなぎとして、不本意ながら親からこの自転車を譲り受けたのです。「本当にもらっていいんだよね。」何度も親に確認をします。私にはママチャリという造形もさることながら、この「赤色」がどうにも恥ずかしく、あるたくらみを計画中だったのです。
その頃の子供はテレビゲームもなく、興味の対象は仮面ライダーかプラモデルといった方向へ流れていました。河の流れに身を任せるように私は自然にプラモデル&ミリタリー系への流れました。そしてこの自転車を「海軍航空隊仕様」にすべくお小遣いでペンキを買い込んだのです。
・・・・次の休日、出来上がったのは伝説の戦闘機として語り継がれた「零戦」「紫電改」のような名機仕様ではなく単なる地味な緑のママチャリだったのです。
子供心にこの試みの失敗のショックは大きく、このような塗られた自転車を見るたびに思い出すのです。
※この一年後私は無事「ミヤタのドロップハンドル10段変速」を手に入れることができました。
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コメント
Shigさん こんばんわっ♪
さり気無く、渋いお写真に見入っております。
レトロな感じがまた、お洒落ですね。
自転車へのこだわり、よくよく解かりました。
素敵なお話ですね。
男の子にとって自転車は何よりの宝物なんでしょうね。辛抱の甲斐あって、「ミヤタのドロップハンドル10段変速」ですかぁ~
嬉しそうなお顔が眼に浮かびます。
投稿: yoriko | 2005/06/25 21:20
>yorikoさん
最近「フィルム一本分全部自転車撮かも?」というほど撮ってます(笑)感覚センサーだけで被写体を探すとこういった「トラウマ」の力が大きく働くようで・・・。あまり制御せず身を任せるのもアリかもしれませんね。
投稿: Shig | 2005/06/25 22:44