こ!
Leica M5 + Elmar 35mm f3.5
タイトルをみて「?」と思われた方もおられるかと思いますが、その意味はおいおいと・・。
ある日のことです。仕事が比較的早く終わったので会社帰りにちょっとだけ本屋に寄り、その日はそのまま帰宅することにしました。時間もあるのでいつもの混んでいる快速に乗らず空いている各駅停車で座って帰ることにしたのですが・・・・。
がらがらではありませんでしたが席が空いていたので私はそこに座ることにし、先ほど本屋で買ってきた雑誌をひろげます。車内は立っている人はちらほらという感じで、皆一様に手持ち無沙汰な雰囲気が車内を充満している妙な感じです。
私はふと隣の人が何かしらぶつぶついいながら大きな本をめくりながら何か書き込んでいるのでつい視線そちらに落としました。その人は
メモがいっぱいの自分の手帳を見ながら大判のJR時刻表(かなり使い込んだ)に何やら暗号のようなものを書き込んでいます。さらに鞄の中から写真の束を出して見ていたのですがこれがまた「貨物列車の写真だらけ」という非常にニッチな被写体です。
そう、彼は真性の鉄道マニア(俗にいう鉄っちゃん)だったのです。
鉄っちゃんが悪いとは言いませんが電車の中でそこまで開けっぴろげに・・・。「うむぅ、さすがに性根の入った鉄っちゃんは違うわい」と感心しながら反対側のお隣さんに視線を移すと・・・。彼は切手大辞典らしきもの(切手の相場とかも載っている)を開きながら自らの切手帳を開いてぶつぶつ言っているではないですか。
おお、もう一人のお隣は「切手マニア!」
小学生の頃「はしか」のように切手を集めることはありますが、本物の切手マニアを見たのは初めてでした。
こ!
ここでタイトルの「こ!」の説明です。このヘビーメタルなマニアに挟まれた私は標準語でいう「濃いいなあ」と思ったわけです。これを口語体でいうと「濃い!」になるのですが、関西弁では「安っ」とか「早っ」とか短く発音することがありますのでこの場合
「濃い」→「濃っ」となり、発音してみると「こっ」もしくは「こ!」となるのです。
方言は言葉で発すると知らなくても前後の文脈からある程度想像することは可能ですが、こうやって文章にすると何やら知っていても変な感じです。
「凄いマニアに囲まれちゃったなあ、やれやれ」と思いながら自分が今開いている雑誌のタイトルを見てびっくりです。
「丸」 ~世界の空軍戦力分析保存版~
うひゃあ、なんていう事でしょう。よりによってこんな雑誌を開いていました。言い訳になりますがこの雑誌を定期購読しているわけではありません。買ったのは十何年ぶりで、単に資料性が高いなと思い(何の資料?)さっき久々に衝動買いしてしまったのです。周りから見ると「鉄道マニア」「軍事マニア」「切手マニア」のそろい踏みです。JR京都線の他の乗客は私たちを見て心の中でこう叫んだことでしょう。
こ!
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コメント
こんにちは。Raichi改めK-esになりました。
タイトルからは予想外の展開と意外なオチで面白かったです!
山梨の友人から聞いた「最も短い会話」というのを思い出してしまいました。こういうのです。
①「だ!」「わ!」
②「け!」「く!」
翻訳するとこうなるのだそうです。
①「(そこにいるのは)だあれ?」
「わたしです」
②「食え(どうぞ召し上がれ)」
「食う(はい。いただきます)」
・・・知らない者にとっては何が起こっているのかさっぱりわかりませんね。「こ!」はさしずめ最も短い独り言、でしょうか。今度使ってみよう・・・
投稿: K-es | 2005/04/21 19:40
>K-esさん
可愛らしいお名前から凛々しいお名前に(笑)
①「だ!」「わ!」
②「け!」「く!」
両方ともわかりませんでした。(涙)でも種明かしを見ると納得してしまうところが日本語の凄いところですね。
方言で独特な表現の例をもうひとつ・・・
標準語で現在進行形を表現するのは難しいですよね。~ingも「~しつつある」という変な訳になってしまいます。ところが岡山弁だとこれが普通に使われるのです。例えば「友人A君はこちらに向かって来つつある」という表現しにくい場合でも「A君は今こっちに”きょーる”」と言うのです。子供の頃は当たり前に使っていましたが、岡山を離れて冷静に思い返してみるとあらためて気づいた次第です。日本語は奥深いですねえ。
投稿: Shig | 2005/04/21 23:48