社会人としての気遣い
Leica MP + Summicron 35mm f2 (6elements)
私は一介の平凡なサラリーマンでありながら長髪で出勤していることは以前のエントリー「タッキーにしてくれ」で書きましたが、その後もおおむね周りの反応は見て見ぬ振りという対応が多いです。たまに
「おっ、ブラックジャック?」
と言われたりもしますが露骨に嫌な顔をされるようなことはないようなので少なくとも周りを不快にはさせてないとは思っています。ところが今日、会社の中でやってしまいました・・・・・
私は別な階に資料を運ぶ用事があって紙袋を両手に持ってエレベーターに乗りこんだ時のことです。最初はひとりだったのですが、途中の階でひとりの重役が乗ってきました。
「こんにちは」両手に紙袋を持ったまま軽く会釈をします。
「うむ」重役がエレベーターの奥に入ります。
私といえば会釈をしたために前髪が顔にかぶさって貞子状態になっています。(特に前髪が長いので)両手はふさがっています。そこでつい、いつものクセで軽く頭を振って髪の毛を後ろにやります。
ふぁさっ
その時、凄まじい殺気を背中に感じました。そしてその0.3秒後には私は自分の犯した愚行に気がつき背筋が凍りました。重役の前で確かにあまり品のよい行為ではありませんでした。しかしエレベーターが混んでいたのならともかく広めのエレベーターの中に距離を取ったふたりです。失礼な行為だったかもしれませんが両手がふさがっていたこともあり「けしからん」と怒られるほどのこともなかったでしょう。
・・・・・・そう、その重役が「ハゲちゃびん」でなかったら・・・・
「ハゲちゃびん」という言葉を使ったのは小学生以来ですが、そうなんです。仕事のことで頭が一杯だった私はお偉いさんを「重役」の一人としては認めていたものの、「自分のハゲを凄くに気にしているハゲた重役」とまでは認識していなかったのです。
その重役は私が降りるひとつ前の階で「じゃあね」と言い残し降りてゆきました。
「じゃあね」
短い言葉でしたが、言外にいろんな意味が込められています。
『そりゃあね。僕はハゲていて君には長い髪があるかもしれないよ。でも、僕だって大学生の頃はバンドもやっていて長髪でさ、そりゃあモテたもんですよ。今はすっかり髪もなくなって君みたいに髪を振って整えることなんかできないし、散髪だって10分で終わりますよ。でも君だって歳をとってくれば今の行為を懐かしむことになるんだよ。「ああ、昔は僕にも髪があったんだなあ」って。いつまでもあると思うな金と髪っていうくらいだからね。あまりいい気になってると後でよけい辛くなるよ・・・・』(本当はもっと続くのですが、きりがないのでこのへんでやめます)
社会人としてあるまじき行為でした。申し訳ありません。今度から髪をかきあげる時は状況をみてさりげなくするように気をつけます。(それ以前に髪を切れって?いやいや、ごもっとも)
| 固定リンク
コメント
あはは何だかその場の状況が想像できて おもしろい話しです(ぁ;;笑っちゃ悪いですよね ハゲチャビンにw) やってしまった後に・・・あ;って事ありますよね (わたしなんか・・・多すぎて;;)
投稿: tomotomi333 | 2005/04/14 15:26
いやぁ~、読んでいて楽しいやら面白いやら、書くのも上手ですね。自分はハゲではないので、気持ち良く読ませてもらいました。
中には、偉そうなおじさんが、かつらを被ってるのが今の時代けっこういて、普通の人には別になんとも思わないけど、嫌なタイプの偉いさんは間抜けに見えてしまいます。
あるがままの人は、男らしいハゲチャビんかもです。
投稿: max11puu | 2005/04/14 17:28
>tomotomi333さん
その重役さんの名誉のためにお伝えしますが、本人が気にしているほど周りは意識していませんし、結構似合っていてダンディーなんですよ。(本人は不本意なんでしょうけど)
>max11puuさん
最近はカツラというより増毛が主流なんでしょうが、こういう中で「いかにもカツラ」という人も結構いますよね。理想の上司の髪型が所ジョージみたいですから少々いいはずなんですが。
投稿: Shig | 2005/04/14 22:13